FC2ブログ
cafecasa
http://cafecasa.blog9.fc2.com/
World Wide Weblog
JAPAN
スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

別窓 | スポンサー広告 | top↑
オリガ・モリソヴナの反語法
2006-07-14 Fri 02:01
4087478750.jpg

オリガ・モリソヴナの反語法
読み終えたばかりの本だが、こんなに夢中になれたのは
久しぶりの感覚だった。
プラハの街が好きだったので、何となく惹かれて読んだこの本は
間違いなく傑作の部類にはいると思う。



1960年、チェコ・プラハのソビエト学校で舞踊教師をしていた
オリガ・モリソヴナ。
70歳は超えているだろうと思われる老女であるが、
踊りは天才的。

1920年代で止まってしまったようなクラシックなファッションに身を包み
9センチ以上あるハイヒールを履いて優雅に、時には情熱的に
踊る姿に皆心を奪われる。

出来の悪い生徒には独自の反語法を用いて濁声で罵倒する。

「あらまぁ震えの止まらなくなるような神童!」
「これぞ想像を絶する美の極み!」
「そこの麗しき堕天使、まだ地球の重力にお慣れでないね!!」

これはすべて罵倒言葉。反語法である。
オリガ・モリソヴナとは一体何者なのか?
舞踊教師という事実以外、彼女についてのことは殆ど謎に包まれていた。
昔、モスクワで活躍していた有名な踊り子だったというが・・・

少女時代、
強烈な個性をもつオリガ・モリソヴナに多大な影響を受けた
日本人主人公、志摩。
オリガ・モリソヴナに憧れて一度はダンサーへの道を歩む。
30年後、ロシア語翻訳者となった彼女はモスクワで、
少女時代の最大の謎、オリガ・モリソヴナの半生について調べ始める。
  


この物語は「少女時代の謎解き」なのだが、
オリガ・モリソヴナという人物を通して見えてくる
社会主義国家・ソビエト連邦のスターリン時代。

恐怖政治の恐ろしさ、ラーゲリ(強制収容所)の雰囲気、
怯えて暮らす人々の姿・・・
暴力、裏切り、冤罪、処刑、尋問・・・
強烈な個性を放つ天才ダンサー、オリガ・モリソヴナの過去は
あまりにも残酷な世界だった。

絶望的な環境の中で、それでもたくましく生き抜く様、
様々な苦悩、人々の想い・・・

私はレーニンもスターリンもあまり詳しく知らないし
社会主義のことも理解していない。
ロシアにもまだ行ったことがなく、
基礎知識というものが全くなかった。

この本の凄いところは、そのような無知な私でも
その情景がありありと浮かんでくる筆力!
暗いスターリン時代のモスクワへ、タイムスリップしたかのような
情景が次々に浮かんできて、
夢中になって読んでしまった。

読み終わったあと、目をつぶれば映画を見終わった後のように
「絵」となって浮かんでくる。
作者の米原万里さんの文章力に、驚いてしまった。

文章の進め方や表現、言葉使いが絶妙で、ロシア語同時通訳をしていた
作者のボキャブラリーには感心するばかり。

そして、肝心な話の内容は、読者が感情移入して思わず涙してしまう
感動作である。

長編小説でありフィクションである本書だが、
学者顔負けの莫大な資料を基に作成されており
スターリン時代の興味深い出来事などをリアルに描かれ
歴史映画を見ているような感覚に陥る。

米原万里さんの本は初めて読んだのだが、
こんなに文章力のある人だとは思っていなかった。


4043756011.09._PE00_OU09_SCMZZZZZZZ_.jpg


惜しくも先日、若くして癌でお亡くなりになった米原万里さんの本、
嘘つきアーニャの真っ赤な真実
はとても評判が良いので、近いうちに買いに行こう。
スポンサーサイト

別窓 | 書籍・漫画・音楽など | コメント:2 | トラックバック:0 | top↑
<<瀬戸内海沿岸の旅 1~備前焼の里 岡山・伊部~ | caf'e casa blog | やきものにはまる。>>
この記事のコメント
#228
色付きの文字v-209
お久しぶりです。熊本のけい子です。
お元気そうで何よりです。
私も米原万里さん、結構ファンなので、嬉しくて、
つい、コメントしたくなりました。
お亡くなりになったのがショックで、この間、ネットで
まだ読んだ事のない、著書2冊を買ったばかり。
でも「オリガ・モリソヴナの反語法」というのは、
はじめて知りました。
おもしろそうですね。是非読んでみたいです。
「嘘つきアーニャ・・・」、おもしろかったですよ。
あと、「旅行者の朝食」も旅好きな人にはいいかも・・。
それと、動物好きの方にお薦めなのが、
「ヒトのオスは飼わないの?」ですよ~。。
香咲のアイスコーヒーとクッキーが恋しいです。
2006-07-14 Fri 16:34 | URL | けい子 #-[ 内容変更] | top↑
#229 お久しぶりですね。
けい子さん。お久しぶりです。
その節は色々と心配して頂きまして有り難うございました。

米原万里さん、こんな素晴らしい方だったと知ったのが
お亡くなりになった後というのが悔やまれます。
嘘つきアーニャ。これから紀伊国屋に行って買ってこようと思います。
オリガ・モリソヴナの反語法と構成が似てるようですが
アーニャはノンフィクションのようですね。
その他の著作もチェックしてきます!!

2006-07-14 Fri 16:48 | URL | ai #-[ 内容変更] | top↑
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| caf'e casa blog |
copyright © 2006 caf'e casa blog all rights reserved. powered by FC2ブログ. template by [ALT DESIGN].
/
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。